2011年5月30日月曜日

映画と芝居と僕らのきもち

暖かくなってきました。皆さんいかがお過ごしでしょうか。
僕は、ここ一ヶ月ほど映画のコピーにハマッてました。今年になって新パソになってコピーが容易になったからでしょうか、数年我慢してた(半ばあきらめていた)DVDコピーをかなりしてました。

で、コピーするだけして見る機会を作れない始末(笑)。海外ドラマを次々に観れる環境がうらやましい…。
でも、それでも空いてる時間で芝居のDVDやら映画やらを観てます。で、その中の映画、2本の話。

今回観たのは「サヨナライツカ」と「リリィシュシュのすべて」。
どちらも素敵な映画でした。まずは「サヨナライツカ」。この作品、僕は原作者の辻仁成のファンでして、しかもこの作品を読んでかなりのイメージを作り上げてました。最初は中山美穂が主演と聞いて自分のイメージと離れていたのですが、観ているうちに引き込まれました。そしてあの映像美!ああ、映画ってこういうことを表現するためのメディアなんだな、と思わされた作品でした。言葉で語らずとも、“美”というものを表せるとは、なんて素敵なんだろうと思いながら観ていました。

そして「リリィシュシュのすべて」。これはもうけっこう前の作品になりますが、岩井俊二の作品です。僕は「スワロウテイル」が大好きなのですが、これはまたひとつ作品として昇華した感のある映画に仕上がってます。とはいえ好き嫌いはハッキリするかもしれません。なんだか日本映画というと僕は、独特の雰囲気の、あの文学作品を映像化したようなまったり感を感じてしまうのですが、(これもそんな感じではあるのだけど)それと同時に、なんともいえない気持ちをもった作品でした。

映画のことを書いておいて、いまいちハッキリしないコメントになってしまいましたが、これらの映画をみて思ったのは、以前より“映画の見方が変わった”と思います。まあ、ハリウッド映画はそんなにイメージは変わらないのですが、日本映画に関しては少し深く観るようになったのかなぁと思ってます。
それは僕が歳をとったからなのか、日本映画の有りようが変わったのかはわかりませんが、どの作品も自分に少なからず影響を及ぼしてきてる感じがして、なんだか少しワクワクしたりも、しているのです。

僕は舞台の人間です。きっと映画とは表現方法が正反対なのだろうと思うのですが、(この話はまた別の機会で)同じ分野だと思います。いろんな表現方法を観て、自らの感受性を高めてゆくこと。それがアート(の端くれ)に携わるものの意義なのだと思います。

2011年5月11日水曜日

無音旋律

もう、すっかり夏のにおいがします。
前回、音響のことについて書きました。その途中に思い出したコトを書きたいと思います。

こと演劇において音響は、重要な位置を占めます。役の心情や場面の雰囲気を、よりいっそう盛り上げるのに役立ちます。
僕は演出をしているので、ことさら音響には敏感でいるつもりです。音響を依頼されて参加するようになってからは特にです。

今年の共鳴空間の音響をしたときは、自分は選曲はしませんでした。メンバーが選曲した曲を、指定されたところで操作していました(多少のアレンジはさせてもらいましたが)。ですが、その次のソラシードの時は戸惑いました。選曲を含めた音響だったからです。
まあできないことはないですが、やりだしたら(実は)めんどくさい作業でした(笑)。今までは初めから稽古場にいて、演出しながら音響を決めていたのでさほど苦労ではなかったのですが、共鳴終わりの残り一ヶ月で練習に行き、選曲するのです。ましてや仕事の関係でガッツリ稽古に行けるのは日曜日のみ!役者や演出さんにも不安感を与えたかもしれません。で、まあ選曲に関しては演出さんにイメージは伝えられていましたが、あとはお任せ。もう「そ、それでいいんですか!?」的な気持ちでどんどん選曲していきました。
で、面白かったのが、稽古中…三週間前に大体の選曲が決まり自分なりに安心していたのですが、次の稽古に音を出すとなぜかイメージが合わない…。「あれ!?あれ!?」ってな感じで候補曲を次々に変更していきました。その時の稽古のクオリティに、音響が左右されたんですな(ま、あまりいいことではなけどね)
それは、小屋入りしてからも続きました。最終的にはシンプルかつ、多少変則的な楽曲になったんじゃないかと思います。(後で“あなたの選曲だから3回とも泣けました”と言われた時は嬉しかったなぁ…)。

そして先日。また舞台は神戸です。
今度は風斜、若手と客演で作る“ハルシオン・デイズ”を見たときのことです。
ハルシオン・デイズといえばソラシードを立ち上げる前年、こどもの館OGと(後の)ソラシードの二人で打った公演がハルシオン・デイズでした。ま、それはさておき…この作品、僕にとってはその時に(手伝ってましたから)台本を読み込んだり、DVD買って見倒したりしているくらいの、演目でした。
ですから、きっと自分の中で演出プランというか、間やイメージができていたのだと思います。
僕はそのお芝居を、「俺ならこうするのになぁ…」とか「これならああした方が…」とか(失礼かも知れませんが演出なので)思いながら、観ていました。
そうしていると後半、僕が思うクライマックス辺りでそれは起こりました。その場面は音楽は全くない場面だったのですが、僕の頭の中にはピアノの音が鳴り出していました。少し奇妙な感覚でしたが、でもそれはきっと、僕の音響のタイミングと選曲だったのです(普通にある話かもしれませんが、あんなにハッキリ聞こえたのは初めてだったので)。演出のことを考えながらのことでしたが、ちょっと面白い感覚だったなぁ(笑)。

たまに僕は、いい曲を聴けば(まだ上演もしていない架空の)舞台の1シーンが浮かびます。そんな1シーン1シーンを集めて、良い舞台をつくりたいと、いつも思います。
ホントに、音響っておもしろい♪