はてさて、懲りもせず今回も“ルーツシリーズ”です。
今回のは、僕の演劇の、いや、僕の人生のターニングポイントになったといっても過言ではない、第10回こどもの館劇団発表会“暁のグスコーブドリ大作戦”について、書きたいと思います。
以前から何度も書いてますが、毎年夏休みに県下の中高生を対象とした演劇ワークショップが、こどもの館で今も続いています。僕が参加したのは今から12年前、館劇団の8年目。如月小春の指導のもと、まさか自分が“演じる側”にまわるとは思わず、しかし今まで体験したどんな世界よりも楽しく、そのひと夏でハマってしまいました。
そして、その翌年。参加2年目。
それこそ当時の僕にとってその年は(プライベートで)すさまじい事件があった年で、それこそ20キロ近く激ヤセして向かえた夏でした。ですが…この年の、このワークショップがあったからこそ僕は、演劇を続けていられて、今、ここにいられるのだと思います。そんな、夏でした。えへへ。
夏休みが始まると同時に、こどもの館劇団のワークショップも始まります。僕は体調を整えながら、ワークショップに参加しました。柔軟や発声をし、如月さんの脚本に沿って(確か上がりは遅かったような…)進んでゆく濃密な日々…多分、去年と同じ夏のように、過ぎてゆくはずでした。
ですがその年は、館劇団の10周年ということと、淡路で花博があり、その設計者がこどもの館と同じ安藤忠雄さんの「花博会場で、そこでも演劇をして欲しい」との呼びかけで、館劇団はじまって以来の“旅公演”があった年でした。(もともと館劇団は“野外移動劇”なのです)
今年の題材は宮沢賢治の「グスコーブドリの伝記」をベースに、その数十年後のイーハトーヴの現状を、一人の高校生とその妹たちを通して、“生きる”ということの意味を見つけてゆく物語です。そして登場人物はすべて宮沢賢治の作品群の名前で占められています。
まずは役決め。当時、館劇団では役きめは“くじ引き”で決めていました。で、大人の男性陣の枠は三つ。当時、大人の男優は(確か)5人。でもうち二人は、如月さんご指定の役を与えられているので、僕を含め三人がくじ引きです。役柄は、1・大家族のお父さん、2・旅芸人一座の座長、3・脱サラ農家の貧乏お父さん、の三役でした。で、こどもたちの配役も決まりいよいよおじさんたちの番。僕は最後に残ったくじ。三人同時に開けると僕の紙には、「26・ゴーシュ」と書かれていました。
実のところ、1の豪快お父さんも、2の芸人座長もガラではなかったので、消去法で貧乏お父さんかなと、思っていたので、内心ホッとしたことは確かです。
それからというもの練習は熱を帯び、こどもの館では各場面ごと、各グループごとにいろんな場所で練習をしてゆきます。僕のゴーシュ一家は冒頭部分、物語の発端となる事件の場面です。
脱サラして念願の農家を始めたものの、不作が続き借金を重ねて両親は自殺に追い込まれる、そんな場面でした。「自分自身、実家の借金で大変なのになー」などと、精神的にも追い込まれながら練習を終えてホールに戻ると、そこには旅芸人たちが練習していて、「俺らはホントに自殺しそうなのに、なんでこんなに楽しそうなんだろう…」と、演劇の矛盾さに悲しくなったりもしました(笑)。
そんなこんなででも夏は短く、アッというまに過ぎてゆき、そして本番を迎えます。ゴーシュ一家で冒頭で自殺してしまう両親は、もう出番がなくなるため、如月さんは別に“研究員”という役も振っていただきました。そしてこどもの館、本番です。その日も当たり前に暑く、そして晴れ渡った夏でした。
かなり書いてしまいました。この続きは“続き”に書きますね(笑)。
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